ステアリン酸銀を低温で熱分解すると直径が 5nmの、均一な粒子が出来ました。化学反応性の検討をkから、粒子の中心部が銀原子、外側がステアリン酸銀であるようです。金属銀とステアリン酸銀のモル比は 9 : 1 でした。
Mono-dispersed silver nanoparticles were formed by decomposing silver stearateat low temperature. A cluster of silver atoms is enclosed with the silversterate shell.
銀ナノ粒子は340℃にすると融解して金属銀になります。金属銀の融解温度は960℃ですから、大幅に融解点が下がったことになります。しかし、これは見かけの話。殻をなすステアリン酸銀が分解した結果、銀の核が凝集するためです。ステアリン酸(m = 18)の代わりに長さの短い脂肪酸を用いると、分解の活性化エネルギーが下がります。m = 7で活性化エネルギーがゼロになるので、それ以下の長さの脂肪酸では粒子が出来ないことになります。